てぃーだブログ › 元は、関組長の東京・永田町ロビー活動日記【ブログ版】 › 【共謀罪】法案の審議日程はどうなるのか?

2006年10月01日

【共謀罪】法案の審議日程はどうなるのか?

メルマガ『関組長の東京・永田町ロビー活動日記』の読者から、

> 共謀罪の国会審議日程を教えて欲しい。

という問い合わせがあった。

結論から先に書くと、わからない。

なぜか?

いい機会なので、いつものようなロビー活動”業務日誌”を書くのではなく、国会のからくりを解説し
ながら、回答しようと思う。

法案の審議日程は、法案の審議を付託された委員会で各政党の筆頭理事が協議して決める。

何日の何時から何時まで、自民党の質問の時間枠が何十分、公明党の質問の時間枠が何十分、
民主党の質問の時間枠が何十分、というように。

そして、いついつ総括締めくくり質疑をやって、採決はいつというように。
永田町業界用語で<シメソウ>という。

筆頭理事間協議で折り合いつかない場合は各政党の国会対策委員長が協議する。

委員会で採決した法案は次に本会議で採決するが、衆議院あるいは参議院の議院運営委員会で、採決する法案の順番や、採決の方法などの段取りを協議する。

このメルマガ読者が尋ねていることは永田町業界用語で<出口>という。
つまり、いつ、【共謀罪】法案の採決をするか?である。

本会議での採決の方法には

1:記名採決

2:起立採決

3:異議なし採決

がある。この採決の方法をどうするか?も重要な駆け引きである。

2:起立採決

とは、議長が「次に○○法案を議題と致します。本法案に賛成の諸君の起立を求めます。」と言って、賛成の議員は立ち、反対の議員は座っている。
議長は「起立、多数。よってそのように決しました。」と言って次の議題に進行していく。
はじめて国会の本会議を見る人は、どうやって数えたのか?と驚くだろうが、そこで昔のNHK紅白歌合戦みたいに日本野鳥の会が立っている議員を数えているのではない。
事前に議院運営委員会で、この法案は自由民主党と公明党は賛成、民主党・無所属クラブさん日本共産党さん社民党・護憲連合さん無所属の人は反対、などと確認してあるのだ。

3:異議なし採決

とは、議長が「次に○○法案を議題と致します。本法案(を審議した委員会)の委員長の報告は可決であります。本法案を可決することに御異議ございませんか?」と言い議員が立ちもせず座ったまま「異議無しっ!」と叫ぶだけ。
議長が「よってそのように決しました。」と言って次の議題に進行していく。

すべて法案の審議日程は、

● 筆頭理事間協議

● 委員長の裁量

● 国会対策委員長会談

● 衆議院および参議院の議院運営委員会

での駆け引きで決まる。だから「チケットぴあ」で売っているコンサートみたいに、何月何日の何時から何時まで、どこに居ればライブで見れるかは、重要法案であればあるほど予定が立たない。
場合にっては、幹事長会談も行われる。逆にその<出口>がわかるということは、結果が見えてしまうということなのだ。

だから関組長は会期中べったり永田町に張り付いてとことん振り回される羽目になる。
議院運営委員会では国会対策委員長会談の大筋に基づいた事務レベル協議が主だから、関組長はしばしば国会対策委員長をターゲットにロビー活動をする。
少なくとも議員会館にある自由民主党、公明党、民主党の国会対策委員長の一衆議院議員としての事務所には、必ず行く。

この際、悲しみ、怒り出すひとも現れるのを承知で書いておく。

しばしばどこかの団体の呼びかけで衆議院第2議員会館前の路上に集まり国会議事堂に向かって座り込んだりシュプレヒコールを繰り返し行われるが、はっきり言って(誰が関組長にそんなことを
言ったかは名を秘すが)国会議員らは、そんな風景をコケが生えているくらいにしか感じていない。

当選したばかりの頃は新鮮に感じるが、3ヶ月も経つと麻痺してしまったのだという。マスコミも同様である。
だから「座り込み」や「シュプレヒコール」や「院内集会」には志を同じくする人が集まっているから顔は出すし、ビラを配って関組長のメルマガの宣伝はするが、関組長の本命の活動ではない。
国会議事堂に向かって路上に立っている時も座り込んで休憩している時も、目は国会対策委員長を追いかけている。見かけたら追いかけて声をかける。

本気で悪法を阻止しようとするということは、そういうことだ。

それで、採決の方法が

2:起立採決

3:異議なし採決

では与党議員が造反してもカウントされようがないので、まずはこの法案の採決では

1:記名採決

を要求するのか?と質すことから国会対策委員長との対話を始める。与党議員に造反していただけるよう<記名採決>にすることは必須条件だ。

---衆議院規則-------------------------

 第百五十一条 議長が表決を採ろうとするときは、問題を可とする者を
 起立させ、起立者の多少を認定して、可否の結果を宣告する。
 議長が起立者の多少を認定しがたいとき、又は 議長の宣告に対し出席
 議員の五分の一以上から異議を申し立てたときは、議長は、記名投票で
 表決を採らなければならない。

 第百五十二条 議長が必要と認めたとき、又は出席議員の五分の一以上
 の要求があったときは、記名投票で表決を採る。

----------------------------------

ところで、

■ <反対>するとはどういうことなのか?

・同じ土俵にうかうかと乗らない。

・委員会で野党の理事が「採決には応じない」と主張しても与党の理事と委員長が強行採決すれば
賛成多数で可決する結果になる。

・議会において悪い法案の採決に応じるということは、悪法が成立してしまうことを受け容れるということが前提である。悪い法案の成立を阻止できるわけではない。

・我々は悪法に反対したというアリバイを残し、次の選挙での支持につなげるだけが目標となる。

■ <対案>を出すとはどういうことなのか?

・悪法を廃案にはできないけれど、修正をかちとり、原案よりは幾分かましな悪法をつくることを目標にする。

(イラク特措法案には、民主党がこういう戦略で法案審議に挑むと思って、修正を要求されたら修正
しようと思い、わざと政府が盛り込んだ条文があったそうだ。ところが民主党は政府が思ったより志が高く、修正案を出さなかった。という訳で政府が民主党の落としどころを読み誤ったせいで思った以上に悪法ができあがってしまった。)

・同じ土俵に乗る。

(たとえば有事法制で、民主党は可能性が高い有事は震災などの災害だという議員も多数いたのに
武力攻撃事態という軍事的な有事という土俵に乗って国民保護法制が必要だ、という議論に走って
しまった。)

・対案を出そうとすることが敵のワナにはまっている。

■ <廃案>を求めるとはどういうことなのか?

・国会の会期の時間切れを狙って議事を妨害する国会対策戦術を連打し法案の採決を行わせない
ようにする。

(記名投票で投票箱になかなかたどりつかない歩き方をする牛歩戦術、 ○○大臣問責決議案だの
○○委員長解任決議案を提出してその趣旨説明をフィリバスターと呼ばれる長時間演説を行い国会を空転させる、など。)

・与党議員でありながら内閣提出の法案に反対票を投じるか棄権する造反議員を得る。

(たとえば郵政民営化法案の参議院での採決、1993年6月に社会党+公明党+民社党+社民連の4野党から提出された内閣不信任決議案に自民党内から小沢一郎さんらが賛成に回ったため可決された内閣不信任決議案)

そして物理的に国会の機能を麻痺させてでも採決そのものを阻止する。
本気で悪法の成立を阻止しようとするということは、そういうことだ。

関組長は、イラク特措法のときなどは、アポをとって国会議事堂内にある立派な国会対策委員長室まで行って、とてもフォーマルに会談までした。

前の国会では、自由民主党、公明党、民主党の国会対策委員長のところにも行ったが、衆議院/
法務委員長を追いかけることにロビー活動の重点を置いて、共謀罪の法案の採決を見送らせる戦略をとった。

  http://sekigumi.ti-da.net/d2006-05-09.html
  関組長の東京・永田町
  ロビー活動日記blog版
  5月9日(火)の関組長のロビー活動は大成功だ(^^!

内閣提出の悪法(案)を阻止しようとする場合のロビー活動の目標とは、このようにして法案の審議
日程に影響を与えようとすることだと言っても過言ではない。

ところで、【共謀罪】法案の審議日程はどうなるのか?

http://sekigumi.ti-da.net/e1046000.html
9月28日の自民党の予定+国会の予定+日本国憲法 第7条

の、

=9月28日の自民党の予定=

にチラッと書いたが、この日、自民党の政務調査会の国防部会+内閣部会+外交部会の合同会議は、

・テロ対策措置法の一部を改正する法律案

を了承し、自民党の政務調査会の財務金融部会は、

・関税暫定措置法の一部を改正する法律案

を了承した。そしてこの2案は自民党の政務調査会で了承された。

・教育基本法案

と併せ、これらの法案が採決されるまでは【共謀罪】法案の採決はしないのではないかと思う。

もし本気で共謀罪法案の成立を阻止しようと野党4党に暴れられたらテロ対策措置法の期限延長
が期限までにできなくなってしまう。
後藤田正純さん/自由民主党/衆議院議員が内閣府政務官を辞任してまで反論している消費者
金融の規制強化に向けた関連法改正案の審議は大もめにもめそうだ。
安倍総理は、まず教育基本法案を成立させることを第一の目標にしている。
実績をつくって党内を満足させたいのだろう。
関税暫定措置法の一部を改正する法律案は来年度の予算編成の前提に関係してくるだろうから
今国会で成立させなければならい。

前の国会のように法案審議の過程で【共謀罪】法案の筋の悪さが、さらに明らかにされ、それが
マスコミが書きたてられ、

http://sekigumi.ti-da.net/e1046006.html
白い胡蝶蘭

http://sekigumi.ti-da.net/e1047476.html
沓掛哲男さんが【共謀罪の法案】を審議する参議院/法務委員に

こういう『組長日記』を読んで、議員の地元事務所へ茶飲み話をしに行く人が現れ、

http://sekigumi.ti-da.net/e1045978.html
【共謀罪の法案】を阻止するための戦略と戦術

などに弾みがつけば、廃案あるいは採決を見送らせる程度には追い込める
可能性は出てくるだろう。

またもや【共謀罪】法案は国会の会期末ぎりぎりまで採決されるかどうか?でハラハラドキドキしなければならないだろう。
今国会の会期は、平成18年9月26日から12月15日までの81日間の予定である。

benetoncondom@hotmail.com   
関組長

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  このように↑私が私自身の日記にそうしているように、一部を引用してレポートを書くのは構いま
  せん。

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Posted by 関組長 at 04:01